同人誌印刷で初めて入稿した話——印刷所選びから完成まで

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同人誌を作った。小説同人誌で、A5サイズ・本文64ページ・30部という小ロット。初めての印刷所入稿だったので、調べることが多くて最初は何から始めればいいか分からなかった。

同じように初めて同人誌を印刷しようとしている人に向けて、印刷所選びからデータ作成、入稿、完成受取りまでの流れを書く。

印刷所を選ぶ基準を決めた

同人誌印刷所は数が多い。有名どころだけでも10社以上ある。最初は何を基準に選べばいいか分からず、Twitterで「同人誌 印刷所 おすすめ」で検索して情報を集めた。

最終的に重視した基準は4つだった。小ロット(30部前後)対応があるか、テキスト系(小説)の印刷品質が評判が良いか、初めての入稿でもサポートが手厚いか、締め切りに対して余裕ある納期か。

これに基づいて候補に上がったのがサンライズパブリケーション(通称サンライズ)と栄光(グラップラーズパック等)だった。

サンライズパブリケーションの評判と実態

サンライズは小説同人誌において評判が高い印刷所だ。特に「文字組みが美しい」「用紙の品質が高い」という声が多い。

サイトを見ると、用紙の種類が豊富で、本文用紙のサンプルを手に取って確認できるサービスがある(サンプル帳の取り寄せ)。実際にサンプル帳を取り寄せてみたが、用紙の種類と説明が丁寧で、印刷所としての誠実さを感じた。

ただし締め切りへの対応が厳密な印象で、入稿締め切りを過ぎると割増料金がかかる。初めての入稿で日程を読み違えると困ることになる。余裕のあるスケジュールが前提になる。

栄光の評判と実態

栄光はコミック系の同人誌に強い印刷所だが、テキスト系の実績もある。「グラップラーズパック」という小説向けプランが最終的な候補になった。

サイトが整理されていて、価格表や仕様が分かりやすかった。特にWebから見積もりが出しやすく、ページ数と部数を入力すると費用がすぐに分かる点は初心者にありがたかった。

サポートに電話してみたことがあるが、対応が丁寧だった。「入稿は初めてなんですが」と伝えると、必要な設定を順を追って教えてもらえた。初心者向けのサポート体制という意味では好印象だった。

最終的にどちらを選んだか

サンライズで最初の同人誌を入稿した。理由は、読み比べた同人誌レビューブログで「テキスト系の長編小説はサンライズが一番綺麗」という意見が多かったこと、そしてサンプル帳で見た本文用紙の品質が高いと判断したからだ。

費用はA5・64ページ・30部で税込み約14,000円(表紙カラー・本文1色)。1冊あたり約467円。即売会で800円で販売する予定だったので、30部全部捌ければ問題ないコスト感だった。

データ作成で苦労したこと

印刷所選びよりも実際に苦労したのがデータ作成だった。

小説同人誌のテキストデータはWordで書いていたが、印刷用に変換するためにWordからPDFを書き出す際に設定が必要だった。フォントの埋め込み、用紙サイズ(塗り足し込みのサイズ)、ノンブル(ページ番号)の位置など、細かい設定項目が多かった。

サンライズのサイトには「入稿の手引き」というドキュメントがあって、Wordからの入稿方法が書いてあった。これが非常に役立った。設定項目ごとにスクリーンショット付きで説明してあり、指示通りに設定したらデータチェックで問題なしの回答が来た。

苦労したのは「本文のノンブル(ページ番号)の設定」だった。同人誌では「柱(タイトルやサークル名を端に入れる)」とノンブルの位置に慣習があり、最初はどこに配置するべきか分からなかった。サンライズのサポートにメールで聞いたら翌日に丁寧な返信が来て助かった。

入稿してからの流れ

データをウェブアップロードで入稿した。入稿後、印刷所からデータチェックの結果が数時間以内にメールで届いた。

最初の入稿では1点指摘があった。表紙の背表紙の幅が計算式と合っていないとのこと(ページ数と用紙厚によって背表紙の幅が決まるが、自分の計算が少しずれていた)。修正したデータを再入稿すると、翌日にOKの回答が来た。

入稿確定後の納期は約10日だった。待っている間は少し不安だったが、進捗が確認できる仕組みはなかった(印刷所によっては進捗メールが来るところもある)。

完成品を受け取ったときの感想

宅配便で段ボール箱が届いた。開けた瞬間「本だ」という感動があった。自分が書いたテキストが製本された状態になっているのを見る体験は、電子書籍や画面で見るのとは全然違う感覚だった。

品質は期待通りだった。本文の文字がクリアで読みやすい。用紙のクリーム色が目に優しく、長文を読むのに適した質感だった。表紙のカラー印刷も意図した色合いで仕上がっていた。

反省点として、30部という部数が若干少なかった。即売会で完売して、追加で欲しいという声をもらったが追い刷りのコストが1部あたり高くなるので躊躇した。次回は50部にする予定だ。

初めての同人誌印刷にかかった費用総まとめ

項目 費用
印刷費(サンライズ・30部) 14,000円
表紙デザイン(友人に依頼) 3,000円
サンプル帳取り寄せ(送料) 無料
データ作成ツール(Word既存) 0円
合計 17,000円

表紙デザインを自分でできる人なら14,000円で同人誌30部が完成する。1冊あたり467円という数字は、商業出版と比べると割高だが、小ロットでこれだけの品質が実現できることを考えると納得できる費用だと感じている。

初めての同人誌入稿を終えて思ったのは「思ったより難しくなかった」ということだ。印刷所のサポートが手厚いので、分からないことがあれば問い合わせすれば解決できる。「入稿は難しそう」という壁を感じている人には、まずサンプル帳を取り寄せることから始めることをすすめる。

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